親族・知人の家にいる方へ
親族や知人の家に身を寄せている方は、住まいがあるように見えるため、支援の対象として把握されにくくなります。物資の配布や情報の連絡が届かないことがあります。市町村の窓口に、どこに身を寄せているかを伝えておいてください。
受診の判断がいる症状
この場所で起きやすいこと
- 支援の対象として把握されず、物資や情報が届かない
- 気兼ねから、必要なものを言い出しにくい
- 普段の生活用品を持ち出せていないことが多い
困ったとき、誰に伝えるか
- お住まいだった市町村の窓口(居場所を伝えてください)
- 身を寄せている先の市町村の窓口
- 地域の歯科医師会(歯のことで困ったとき)
困りごとを伝えることは、わがままではありません。食べられない・痛いという状態が続くと体力が落ちます。
この場所でよくある質問
- 避難生活で口が乾いてつらいです口の乾きは、痛み・口臭・飲み込みにくさにつながります。まず、トイレを気にして水分を我慢しないでください。ただし、心臓・腎臓(透析を含む)・肝臓の病気などで主治医から飲水量を指示されている方は、その指示を優先してください。そのうえで、水を少量ずつ口に含む、マスクをつける、口腔用保湿ジェルを薄く塗る、といった工夫で楽になることがあります。ガムは、むせやすい方・飲み込みに不安のある方・認知症のある方・自分で口の中のものを出せない方・小さなお子さんには使わないでください。窒息につながります。
- 避難生活でも、よく噛んで食べたほうがよいですかむせずに普段どおり食べられている方は、一口を少なめにして、ゆっくりよく噛んでください。噛むと唾液が出て、口の中がうるおい、飲み込みやすくなります。ただし、噛むことは歯みがきや水分補給の代わりにはなりません。むせやすい方・飲み込む力が弱っている方・認知症のある方・小さなお子さんには、ガムや噛みごたえのあるものを無理にすすめないでください。
- 避難所で口臭が気になります。どうすればよいですか避難生活での口臭には、口の汚れと乾きが関係していると考えられています。歯ブラシで汚れを落とす、口をすすぐ、乾きを防ぐ——これらは多くの場合、まず試していただきたい対処です。歯みがき剤がなくても、歯ブラシを水で濡らして磨くだけで構いません。うがいが難しい方は無理にすすがず、汚れを口の外に拭き取ってください。血液をさらさらにする薬を飲んでいる方は、やわらかい歯ブラシで力を入れずに磨いてください。
- 詰め物やかぶせ物が取れました。どうすればよいですかまず口の中から取り出してください。口に入れたままにすると、飲み込んだり気管に入ったりする危険があります。取れたものは捨てずに、ふた付きの容器や袋に入れて歯科への相談まで保管してください(ティッシュに包むとごみと間違えられます)。状態によっては元に戻せることもありますが、判断は歯科医療者が行います。すでに飲み込んでしまったときは、大きさや形にかかわらず、飲み込んだこと自体を医療者に伝えてください。
- 経口補水液は自分で作れますか。作り方を教えてください市販の経口補水液が手に入るなら、まずそちらを使ってください。手に入らないときは、飲める水1リットルに砂糖40グラム(大さじ約4杯半)と食塩3グラム(小さじ約2分の1)を溶かす作り方が知られています。分量は必ず守り、塩は塩化カリウムを含む減塩タイプではなく、ふつうの食塩を使ってください。意識がはっきりしない方、ぐったりしている方、飲むとすぐ吐いてしまう方には、口から飲ませないでください。乳幼児、腎臓や心臓に持病がある方、透析を受けている方、水分や塩分の制限を受けている方は、飲む前に必ず医療者に相談してください。
- 災害のときも歯みがきは必要ですか。ほかにやることが多くて後回しになっています必要です。避難生活が続くと口の中の細菌が増えやすく、肺炎などの呼吸器の感染や口の中の炎症が起きやすくなることが知られています。完璧でなくてよいので、1日1回、寝る前だけでも続けてください。
- 口のケアとは、具体的に何をすればよいのですか汚れを落とす(歯みがき・拭き取り・うがい)、乾かさない(水分と保湿)、口から食べて飲む——この3つです。歯みがきだけが口のケアではありません。水が乏しくても、3つとも何らかの形で続けられます。
- 歯ブラシがないときはどうすればよいですかハンカチ・ティッシュ・ウェットシートを指に巻き、歯の表面を前歯から奥歯へ順にこすって汚れを拭き取ってください。何もしないよりはるかに効果があります。
- 断水で水が使えません。歯磨きはどうすればよいですか約30ml(紙コップに指1本分ほど)の水があれば歯磨きはできます。水は最初に全部使わず、すすぎ用に2〜3回に分けて使うのがコツです。
- うがいの水が少ししかありません。効果的な使い方はありますか自分でうがいができ、水をきちんと吐き出せる方であれば、同じ量の水でも一度に多く含むより、少量ずつ含んで吐き出すほうが汚れを外に出しやすいと考えられています。たとえば30mlなら、15mlずつ2回に分けます。むせやすい方、寝たままの方、自分で吐き出せない方には無理にうがいをさせず、口の中の拭き取りに切り替えてください。うがいは歯みがきや拭き取りの代わりにはなりません。
- うがい薬がありません。口の中をすすぐのに代わりに使えるものはありますか洗口液(マウスウォッシュ)や液体ハミガキは、口の中をすすぐ目的であれば当面の代わりになります。ただし、のどを対象とするうがい薬とは目的が異なり、のどの症状への置き換えにはなりません。手指消毒用の製品は口に使わないでください。何も無ければ、水だけで口をすすぐことにも意味があると考えられています。口に含んだものを自分で吐き出せない方には使わないでください。
- 重曹水は洗口液の代わりになりますか代わりにはなりません。重曹水のうがいは昔から紹介されてきましたが、効果を確かめた資料をこのプロジェクトでは確認できていないため、作り方(水と重曹の量)はお伝えしていません。口のねばつきには、まず少量の水でのうがいや、濡らして固くしぼったガーゼでの拭き取りをお試しください。口の水を自分で吐き出せない方、むせやすい方には、うがいをさせないでください。
- 入れ歯をなくしてしまいました。どうすればよいですか「ないまま我慢」がいちばん危険です。避難所の救護班・保健師に「入れ歯をなくした」と必ず申し出てください。噛めない状態が続くと食事量が減り、低栄養につながります。
- 入れ歯が壊れました。自分で直してもよいですか接着剤などで自分で修理しないでください。かえって修理できなくなることがあります。破片もすべて保管したうえで、救護班・保健師または歯科医療者に相談してください。
- 義歯洗浄剤がありません。入れ歯の手入れはどうすればよいですかできれば毎食後、少なくとも1日1回は必ず外して洗ってください。口に入れたままでは汚れは落ちません。水が足りないときは、清潔なガーゼや口腔用のウェットシート(アルコールの入っていないもの)で拭うだけでもかまいません。熱湯と塩素系漂白剤は、薄めても使わないでください。痛み・腫れ・出血があるときは早めに救護班や歯科医療者に相談してください。
- 避難生活で入れ歯が合わなくなってきました合わないまま我慢して使い続けないでください。まず入れ歯の内側(歯ぐきに当たる面)に食べかすが付いていないか確かめ、清潔にしてから入れ直してみてください。多くの場合、まず試していただきたい対処です。それでも当たりや痛みが続くとき、歯ぐきに傷・腫れ・膿があるときは、食事のとき以外は外して休ませ、早めに救護班・保健師・歯科医療者に相談してください。
- 口内炎ができて痛いです。どうすればよいですか多くの口内炎は1〜2週間ほどで自然に治ると考えられています。まずは口の中を清潔に保ち、乾燥を防ぎ、しみるものを避けてください。ただし、2週間以上治らない、だんだん大きくなる、出血する場合は別の病気の可能性があるため、必ず歯科・医療者に相談してください。がんの治療中の方、免疫を抑える薬やステロイドを飲んでいる方、血液の病気や糖尿病のある方は、2週間を待たず早めに相談してください。塗り薬は、手元の市販薬を添付文書の用法・対象年齢どおりに使う範囲にとどめ、ステロイドを含むものや他の人に処方された薬は自己判断で使わないでください。
- 避難生活で誤嚥性肺炎を防ぐにはどうすればよいですか口の中を清潔に保つこと、食べるときの姿勢を整えること、むせやすい食品を避けることが基本です。1日1回しかできないときは、寝る前のケアを選んでください。
- 飲み込む力が弱った家族に、避難所の食事で気をつけるものはありますかパン・餅・のり・ゆで卵など、口の中でまとまりにくいもの、貼りつくもの、水分の少ないものに注意してください。ふやかす・つぶす・とろみをつけるといった工夫が有効です。
- 自分で口のケアができない家族がいます。介助はどうすればよいですか本人が座れる姿勢をつくり、あごを引いた状態で行ってください。口腔ケアシートやスポンジブラシがあると、横になった状態でもケアしやすくなります。
- 自分でうがいができない家族の口のケアは、具体的にどうやればよいですかいちばん大事なのは、落とした汚れを口の中に残さず、外に出すことです。始める前にできるかぎり上半身を30度以上起こし、うがいができる方には少量の水を含んでもらい、必ず吐き出してもらいます。うがいができない方は、水は歯ブラシを湿らせる程度にとどめ、ブラシに付いた汚れをそのつど口の外でティッシュやガーゼに拭き取ってください。ティッシュやガーゼを口の中に置いたままにしてはいけません。安全なやり方はその方の状態によって変わるため、普段の介助方法を担当の医療者・介護職に確認してください。
- 経管栄養のチューブが詰まりやすいです。どうすればよいですかこの項目は医療者・介護者向けです。詰まりを防ぐ基本は、栄養剤を注入したあとに十分な量の水でチューブを洗い流す(フラッシュする)ことです。水の量や手順は、必ず担当の医療者・訪問看護師の指示に従ってください。チューブが詰まったときに無理な力で押し込むこと、抜けたチューブを自分で入れ直すことは、絶対にしないでください。
- 避難生活で、特に口のケアに気をつけたほうがよいのはどんな人ですか自分では歯みがきができない方、飲み込む力が弱った方、以前に肺炎で入院したことのある高齢者は、特に気をつけてください。介助してくれる人がいるかどうかを、避難生活の早いうちに確認しておくと安心です。
- 歯のことで困ったとき、どこに相談すればよいですか避難所にいる方は、まず救護班・保健師に伝えてください。自宅や車中泊の方は、地域の歯科医師会に電話すると、対応できる歯科医院の情報が得られることがあります。
- 近くの歯科医院が開いているか調べる方法はありますか地域の歯科医師会に電話すると、対応できる歯科医院の情報が得られることがあります。自治体の災害情報ページや避難所の掲示にも、診療再開の情報が出ることがあります。
- 歯ブラシはどれくらいで交換すればよいですか使った日数ではなく毛先の状態で判断してください。ブラシを裏側から見て毛が輪郭からはみ出していたら交換の目安です。毛が抜け始めたものや柄にひびが入ったものは、毛や破片が口の中に残るおそれがあるため使わないでください。歯ブラシは人と共有しないでください。替えが手に入らないときは、救護班や保健師に不足を伝えてください。
- 避難生活でジュースやお菓子ばかりです。むし歯が心配です非常時は、まず水分とエネルギーを確保することが優先です。甘いものを我慢しすぎる必要はありません。そのうえで、砂糖が多く歯にくっつきやすいものは食べる回数を減らし、食べたあと・飲んだあとに水やお茶をひと口含む。これが、多くの場合まず試していただきたい対処です。なお、ガム・タブレット・あめ・かたいままの果物は、のどに詰まらせる危険があります。5歳くらいまでのお子さんや、飲み込む力が弱くなっている方には与えないでください。
ほかの場所にいる方へ
この情報は一般的な内容です。個々の症状の診断や治療方針を示すものではありません。 判断に迷うときは、医療者にご相談ください。緊急の場合は119番へ。 避難所の開設状況や物資の配布は刻々と変わります。最新の状況は、お住まいの市町村の公式情報をご確認ください。