本文へ移動⚠ 熊本地震で被災された方へ — 水がなくてもできる歯磨き・入れ歯の対処(軽量ページ)

義歯洗浄剤がありません。入れ歯の手入れはどうすればよいですか

この回答は暫定案です。専門家の確認を受けていません。判断に迷うときは、必ず医療者にご相談ください。

答え

できれば毎食後、少なくとも1日1回は必ず外して洗ってください。口に入れたままでは汚れは落ちません。水が足りないときは、清潔なガーゼや口腔用のウェットシート(アルコールの入っていないもの)で拭うだけでもかまいません。熱湯と塩素系漂白剤は、薄めても使わないでください。痛み・腫れ・出血があるときは早めに救護班や歯科医療者に相談してください。

次のようなときは、すぐに医療者へ連絡してください

  • 入れ歯や部分入れ歯のバネを飲み込んだ、のどや胸につかえる感じがある(息が苦しい・声が出せないときはすぐ119番)
  • 入れ歯が当たる部分が腫れている、膿が出ている
  • 押さえても口の中の出血が止まらない
  • 口の中の粘膜が赤く腫れて痛み、熱が出た
  • 入れ歯の下の粘膜に、白い斑点やしこりが2週間以上続いている
  • 痛みで食事や水分がとれない日が続いている

避難所にいる方は救護班・保健師へ。判断に迷うときは119番に連絡してかまいません。

洗剤で洗えるのは、すすぎ水があるときだけです

食器用の中性洗剤で代用できるのは、流水で十分にすすげるだけの水があるときに限ります。すすぎ水を確保できないときは洗剤を使わず、手順2の「拭き取り」だけにしてください。洗剤が残ったまま口に戻すと、粘膜への刺激や、吐き気・下痢の原因になることがあります。水が乏しい状況では、拭き取りを第一の方法と考えてください。

やってはいけないこと

熱湯に入れる(変形します)、家庭用の塩素系漂白剤に漬ける(薄めても使わないでください。金属のバネが傷み、薬液が残ると口の粘膜を痛めます)、乾いたまま放置する(ひび割れ・変形の原因になります)。この3つは避けてください。

入れ歯を飲み込んだ・のどに詰まったときは

部分入れ歯やそのバネは小さく、外れて飲み込んでしまう事故が起こります。就寝時は必ず外してください。飲み込んだ、またはのどや胸につかえる感じがあるときは、自分で取り出そうとせず、すぐに医療機関に連絡してください。息が苦しい、声が出せない、顔色が変わるときは、ためらわず119番通報してください。

詳しい説明を読む

避難所では「人前で外すのが気まずい」「水がもったいない」という理由で、入れ歯を入れっぱなしにしてしまう方が少なくありません。外して手入れをするのは、わがままでも贅沢でもありません。人目が気になるときは、洗面所の端を使う、車の中で行う、混む時間を避ける、タオルで手元を隠すといった方法で切り抜けてください。

  1. 1. 外して、大きな汚れを落とす

    落として割らないよう、水を張った洗面器の上か、タオルを敷いた上で扱ってください。水が使えるなら、流水をかけながら義歯用ブラシや歯ブラシでこすります。自分で外せない方の入れ歯を介助者が扱うときは、先に声をかけて同意を得て、無理に引っぱらず、ゆっくり手前に浮かせるように外してください。

  2. 2. 水が足りないときは「拭う」

    清潔なガーゼ、または口腔用のウェットシート(アルコールの入っていないもの)で、外側と内側(歯ぐきに当たる面)をていねいに拭い取ります。すすげなくても、汚れを取ることに意味があります。スポンジを使う場合は、未使用のもの、または食器用と分けた清潔なものだけにしてください。使用済みの食器洗い用スポンジは細菌が多く、口に戻すものを拭くのには向きません。手元にあるのがアルコールや除菌成分・香料の入ったウェットティッシュだけのときは、拭いたあとに水を含ませたガーゼで拭き直してから装着してください。

  3. 3. 部分入れ歯のバネ(金属の針金)を忘れずに

    バネの内側とその周りは、汚れが最も残りやすい場所です。歯ブラシや細い綿棒でこすり落としてください。バネがかかっている自分の歯も、あわせて磨きます。

  4. 4. 義歯洗浄剤が手に入ったら使う

    配布されたり持ち出せていたりする場合は使ってください。ただし、薬液が残ったまま口に戻すと粘膜を刺激することがあります。使ったあとは充分に洗い流してから装着してください。研磨剤の入った歯みがき粉は、義歯に細かい傷をつけて汚れが付きやすくなるため使いません。

入れ歯は、食べるとき以外にも役立っている可能性があります

入れ歯は、かむためだけの道具ではなく、飲食物や唾液を飲み込むときにも役立つのではないかと指摘されています(監修前の暫定的な記載です)。また、長く外したままにしていると、あとで入りにくくなることがあると、現場では言われています。いずれも確かめられた根拠は限られます。痛みなどで外しておく必要があるときは、いつまで外してよいかを歯科医療者に相談してください。

介助する方へ

入れ歯を扱う前後は手を洗ってください(水がなければ手指消毒や使い捨て手袋を使います)。入れ歯を外したあとは、歯ぐき・舌・頬の内側も、やわらかいブラシや口腔ケアシートでやさしく清掃してください。血液をさらさらにする薬を飲んでいる方は歯ぐきからの出血が止まりにくいことがあります。出血したら清潔なガーゼで10〜20分押さえ、それでも止まらないときは救護班・医療者に相談してください。

  • 就寝時は外して、フタ付きの容器に水を張って入れ、置き場所を毎回同じにする
  • ティッシュに包んで置くのは厳禁(ゴミと間違えて捨てられる、踏んで割れるという事故が最も多いパターンです)
  • 容器に油性ペンで氏名を書く(避難所の洗面所での取り違え・紛失を防げます)

この回答の根拠

根拠の種類:
災害支援の実務で共有されている知見です(学術的根拠は限定的です)
監修の状態:
暫定案です。専門家の確認を受けていません
最終更新:
2026-08-01

分かっていないこと:【要専門家確認】この項目は監修者の確認を受けていません。入れ歯が飲み込む動作にも関わること、長く外したままだと入りにくくなることは、現場で言われている内容で、効果や影響を示す研究は確認できていません。洗浄の方法・頻度・代用品(ガーゼ、口腔用ウェットシート、清潔なスポンジ、中性洗剤)についても、災害支援の実務で共有されている工夫を当プロジェクトが整理したもので、比較試験で確かめられたものではなく、挙示した出典資料にそのまま記載があるわけではありません。使ってよい代用品や洗浄方法は、入れ歯の材質(金属床・軟らかい裏打ちなど)によって適否が変わることがあります。痛み・傷・粘膜の異常があるときの扱いは、実際に口の中を診た歯科医療者の指示を優先してください。

参考にした資料

この情報は一般的な内容です。個々の症状の診断や治療方針を示すものではありません。 判断に迷うときは、医療者にご相談ください。緊急の場合は119番へ。