避難生活で入れ歯が合わなくなってきました
この回答は暫定案です。専門家の確認を受けていません。判断に迷うときは、必ず医療者にご相談ください。
答え
合わないまま我慢して使い続けないでください。まず入れ歯の内側(歯ぐきに当たる面)に食べかすが付いていないか確かめ、清潔にしてから入れ直してみてください。多くの場合、まず試していただきたい対処です。それでも当たりや痛みが続くとき、歯ぐきに傷・腫れ・膿があるときは、食事のとき以外は外して休ませ、早めに救護班・保健師・歯科医療者に相談してください。
次のようなときは、すぐに医療者へ連絡してください
- 当たっている部分が腫れている、膿が出ている
- 顔やあごが腫れてきた、熱が出た
- 痛みで食事や水分がとれない日が続いている
- 口内炎やしこり、白い斑点が2週間以上治らない
- 入れ歯や部分入れ歯のバネを飲み込んだ、のどに詰まった感じがある(息が苦しいときはすぐ119番)
避難所にいる方は救護班・保健師へ。判断に迷うときは119番に連絡してかまいません。
持病やお薬のある方は、より早めに相談してください
骨粗しょう症の飲み薬や注射(骨の吸収をおさえる薬)を使っている方は、入れ歯が当たってできた傷が治りにくく、あごの骨のトラブルにつながることがあると指摘されています。糖尿病の方、透析を受けている方、がんの治療中の方、ステロイドや免疫をおさえる薬を使っている方も、小さな傷から感染が広がりやすいと考えられています。当てはまる方は、痛みや傷を我慢せず、早い段階で救護班・保健師・歯科医療者に伝えてください。お薬手帳など、飲んでいる薬がわかるものがあれば一緒に見せてください。
自分で削る・曲げるのは避けてください
痛いところを自分で削ったり、バネを曲げたりすると、破損したり、かみ合わせが崩れてかえって痛みが強くなったりします。調整は歯科医療者に任せてください。
入れ歯の内側に紙などを詰める方法は、このページでは案内しません
義歯安定剤がないときに、オブラートやティッシュペーパーを入れ歯の内側にあてる方法が紹介されることがあります。しかし、効果や安全性を確かめた報告は確認できていません。特にティッシュペーパーは唾液で崩れて細かい破片が口の中に残り、入れ歯から外れてのどへ落ちれば、のどに詰まる・気管に入るおそれがあります。飲み込む力が弱っている方、自分で入れ歯を外せない方、認知症のある方は、口の中に残ったものに気づいて自分で取り出すことができません。当たって痛いときは、この方法ではなく、食事のとき以外は外して休ませ、早めに相談してください。
義歯安定剤は、使うとしても短期間に
応急的に義歯安定剤を使う方法もありますが、合わなくなった入れ歯そのものを治すものではありません。安定剤で無理に使い続けると、粘膜の傷や痛みがかえって悪化することがあります。使う場合も一時しのぎと考え、早めに歯科医療者に相談してください。介助を受けている方では、外すときに安定剤が口の中に残っていないか、介助する方が確認してください。
詳しい説明を読む
避難生活では、体重の変化、口の中のむくみ、粘膜の状態の変化などが重なって、それまで合っていた入れ歯が合わなくなることがあると考えられています。現場で多い相談のひとつです。合わないまま我慢して使い続けると、粘膜を傷つけたり、痛みで食べる量が減って低栄養や脱水につながったりすることがあります。
1. 内側の汚れを確かめる
小さな食べかすが1粒挟まっているだけで、強く当たって痛むことがあります。外して内側をよく見て、洗うか拭うかして清潔にしてから入れ直してみてください。これで治まることがあります。あわせて、歯ぐき側に傷・赤み・白くなった部分がないかも見ておいてください。
2. 食事のとき以外は外して休ませる
当たって痛い場所への刺激を減らします。就寝時も外してください。ご本人が自分で外せない場合は、介助する方が外し、入れ歯の内側と口の中の両方を確認してください。ただし外したままの時間が長く続くと、あとで入りにくくなることがあると言われています。数日以上外し続けることになりそうなときは、歯科医療者に相談してください。
3. 改善しなければ相談する
痛みや当たりが続くなら、避難所の救護班・保健師、または歯科医療者に伝えてください。地域によっては巡回歯科や往診で調整できることがあります。「入れ歯が合わない」は、遠慮せずに申し出てよい相談です。
食べられない状態を長引かせないでください
入れ歯が合わずに食事量が減ると、体力が落ち、脱水や低栄養につながります。「入れ歯が合わない」「痛くて噛めない」は、救護班・保健師・巡回の歯科班に伝えてよい相談です。わがままではありません。
この回答の根拠
- 根拠の種類:
- 災害支援の実務で共有されている知見です(学術的根拠は限定的です)
- 監修の状態:
- 暫定案です。専門家の確認を受けていません
- 最終更新:
- 2026-08-01
分かっていないこと:【要専門家確認】この項目は監修者の確認を受けていません。内側を清潔にする・使わない時間をつくる・自分で削らないという対応は、災害支援の実務で共有されている知見に基づくもので、比較試験で効果を確かめたものではありません。避難生活で義歯が合わなくなる仕組みの説明、外したままの時間が長いと入りにくくなるという説明、義歯安定剤の使い方についても、監修者の確認を受けていません。骨の吸収をおさえる薬・糖尿病・透析・免疫をおさえる薬に関する注意は、一般に指摘されている事項を整理したもので、個々の方に当てはまるかは主治医・歯科医療者の判断によります。オブラートやティッシュペーパーを入れ歯の内側にあてる方法は災害時の資料で慣習的に紹介されてきましたが、有効性や安全性を検証した報告を確認できず、誤って飲み込む危険があるため、本ページでは手順として案内していません。なお、参照した学会資料のうち版や該当箇所を特定できなかったものは出典から外しています。合わなくなった原因を確かめられるのは、実際に口の中を診た歯科医療者だけです。
参考にした資料
- 高齢者・介護者向け 備えガイド(お口の防災プロジェクト/一般社団法人 日本オーラルヘルス協会)
- 災害時のお口のケア(緊急ガイド)(お口の防災プロジェクト/一般社団法人 日本オーラルヘルス協会)
- 災害に関する情報(一般の方向け)(日本歯科医師会)
関連する質問
この情報は一般的な内容です。個々の症状の診断や治療方針を示すものではありません。 判断に迷うときは、医療者にご相談ください。緊急の場合は119番へ。