本文へ移動⚠ 熊本地震で被災された方へ — 水がなくてもできる歯磨き・入れ歯の対処(軽量ページ)

避難生活でジュースやお菓子ばかりです。むし歯が心配です

この回答は暫定案です。専門家の確認を受けていません。判断に迷うときは、必ず医療者にご相談ください。

答え

非常時は、まず水分とエネルギーを確保することが優先です。甘いものを我慢しすぎる必要はありません。そのうえで、砂糖が多く歯にくっつきやすいものは食べる回数を減らし、食べたあと・飲んだあとに水やお茶をひと口含む。これが、多くの場合まず試していただきたい対処です。なお、ガム・タブレット・あめ・かたいままの果物は、のどに詰まらせる危険があります。5歳くらいまでのお子さんや、飲み込む力が弱くなっている方には与えないでください。

次のようなときは、すぐに医療者へ連絡してください

  • 食べもの(ガム・タブレット・あめ・果物など)をのどに詰まらせ、声が出ない、息ができない、顔色や唇の色が悪い(ただちに119番通報と、背中をたたくなどの応急手当)
  • 食べたあと・飲んだあとに強くむせ込み、そのあと発熱・咳・息苦しさ・ぐったりした様子が出てきた
  • 糖尿病の方で、甘い飲み物を続けたあとに強いのどの渇き・尿の量が増える・意識がぼんやりするなどの変化が出た
  • 顔やあごが腫れてきた、熱を伴う強い歯の痛みが出てきた、痛みで食事や水分がとれない

避難所にいる方は救護班・保健師へ。判断に迷うときは119番に連絡してかまいません。

のどに詰まらせない工夫を先に

ガム・タブレット・あめ・グミ・かたいままの果物は、窒息の原因になりやすい食べものです。5歳くらいまでのお子さん、飲み込む力が弱くなっている方、意識がはっきりしないときには与えないでください。避難所では救急車の到着が遅れることがあり、詰まらせたときの危険が普段より大きくなります。食べるときは座って落ち着いた姿勢で、歩きながら・寝たままにしないでください。

ガム・タブレットを使えない方がいます

ガムやタブレットは、のどに詰まらせる危険があるため、5歳くらいまでのお子さん、飲み込む力が弱くなっている方、認知症などで飲み込んだかどうか確認しにくい方には与えないでください。ガムは飲み込んでしまうことがあり、口の中に残っていないかを最後まで確認できる方だけが使ってください。

詳しい説明を読む

食べること・飲むことが先です

配られたお菓子や甘い飲み物で水分とエネルギーを補うのは、わがままではありません。体力が落ちるほうが心配です。そのうえで、できる範囲の工夫をしてください。

避難生活が長くなるほど、むし歯への配慮が必要になります。むし歯は、口の中に糖が入っている時間が長いほど進みやすいと考えられています。量そのものより「回数」と「口に残る時間」が問題になります。

  • キャラメル・グミ・キャンディなど、砂糖が多く歯にくっつきやすいものは、特に注意が必要です
  • 少しずつ長い時間だらだら食べ続けると、口の中が酸性の状態から戻りにくくなると考えられています。時間を決めて食べるほうが歯には安全です
  • スポーツドリンクは歯にくっつきませんが、糖が多く酸性の製品が多くあります。こまめに飲み続けると、歯が溶けやすい環境が続くと考えられています
  • 甘いものを食べたり飲んだりしたあとに、水やお茶をひと口含む。効果の大きさを示す研究は確認できていませんが、水があるときにまず試していただきたい対処です

キシリトールやパラチノースなどの代用糖(砂糖の代わりの甘味料)は、むし歯の原因菌が酸を作りにくい甘味料とされています。歯みがきが十分にできない時期の助けになると考えられていますが、歯みがきの代わりにはなりません。また、災害時にどれだけむし歯を減らせるかを示した資料は確認できていません。

歯にくっつきやすいものを食べたあとに、りんごなど繊維のある果物を食べると粘着性の食べかすが落ちやすい、と慣習的に紹介されることがあります。ただし、効果を確かめた報告は見当たりません。この方法をあてにせず、水で口をすすぐ・歯を清掃することを基本にしてください。果物を食べる場合も、小さく切る、すりおろすなどの工夫をし、飲み込みに不安がある方や小さなお子さんには、かたいままでは与えないでください。

熱中症や脱水が心配なときは、水分が優先です

暑さや下痢・嘔吐で脱水のおそれがあるときは、歯のことより水分と塩分の補給が優先です。スポーツドリンクや経口補水液を飲んだあとに、水をひと口含めば十分です。ただし、糖尿病の方、心臓や腎臓の病気で水分・塩分の制限を受けている方、透析を受けている方は、飲む量と種類について、救護班・保健師・かかりつけの医療者に相談してください。制限のある方では、飲みすぎが体調悪化につながることがあります。

子どもは配られたお菓子を口にしている時間が長くなりがちです。「食べてよい時間」をゆるやかに決めるだけでも、歯にとっての負担は変わります。小さなお子さんが食べているあいだは、そばで様子を見てください。

矯正装置・マウスピースを使っている方へ

ワイヤー装置では、粘着性のあるお菓子が装置に残りやすくなります。マウスピース(アライナー)は、甘い飲み物を飲むときは外し、飲んだあとに水で口をすすいでから戻してください。装置をつけたまま甘い飲み物を飲むと、糖が歯の表面に留まりやすくなります。

この回答の根拠

根拠の種類:
慣習的に行われていますが、根拠や臨床的意義は明確ではありません
監修の状態:
暫定案です。専門家の確認を受けていません
最終更新:
2026-08-01

分かっていないこと:【要専門家確認】糖を口にする回数や時間とむし歯の関係は広く知られていますが、この項目には根拠の強さが異なる内容が混ざっています。「食べたあとに水やお茶をひと口含む」「りんごなどで粘着性の食べかすを落とす」は慣習的に紹介されている対処で、効果を示す研究は確認できていません。代用糖についても、災害時にどの程度むし歯を減らせるかを示した資料はありません。窒息に関する注意(おおむね5歳未満・嚥下機能が低下した方にガム、タブレット、あめ、かたいままの果物を与えない)は、一般的な窒息予防の考え方にもとづく安全側の記載で、災害時のデータにもとづくものではありません。糖尿病・心不全・腎不全・透析中の方の水分と糖分については、個別の指示が優先されます。この項目は監修者の確認を受けていません。

参考にした資料

この情報は一般的な内容です。個々の症状の診断や治療方針を示すものではありません。 判断に迷うときは、医療者にご相談ください。緊急の場合は119番へ。