よくあるご質問
お口の防災プロジェクトに寄せられるご質問にお答えします。
災害時のお口の困りごと(断水・入れ歯・歯の痛みなど)は、「災害時のお口のQ&A」で1問ずつ探せます。
災害時のお口のQ&A(質問から探す)カテゴリ別FAQ
対象者ごとに分類しています。該当するカテゴリをご覧ください。
一般の方・ご家庭向け
「お口の防災」とは何ですか?
災害時に、口腔の健康を守るための備えと対応のことです。歯ブラシや洗口液の備蓄だけでなく、乾燥対策、義歯の管理、飲み込みやすい食事の工夫など、避難生活でお口のトラブルを防ぐための総合的な取り組みを指します。
なぜ災害時にお口のケアが大切なのですか?
災害時は水不足やストレスで口の中が乾燥し、細菌が増えやすくなります。口腔内の細菌が肺に入ると誤嚥性肺炎につながるおそれがあると考えられており、肺炎は過去の大きな震災で災害関連死の原因のひとつとして報告されています。また、義歯の紛失や破損で食事がとりにくくなると、低栄養や体力低下につながることがあります。
非常持出袋にお口のケア用品を入れたほうがいいですか?
はい、ぜひ入れてください。折りたたみ歯ブラシ、小分けの洗口液、口腔保湿ジェル、義歯をお使いの方は義歯ケースと洗浄剤を備えておくと安心です。水が使えない時のために、口腔ケアシートもおすすめです。
水が少ない時、お口のケアはどうすればいいですか?
洗口液やマウスウォッシュでのうがい、口腔ケアシート(ウェットティッシュ型)での拭き取り、少量の水での歯磨きなどの方法があります。洗口液は、口に含んだものを自分で吐き出せない方には使わないでください。口を閉じて舌を動かす体操が紹介されることもありますが、臨床的にどの程度意味があるのかは明確ではありません。行う場合も、水分補給や保湿の代わりにはなりません。
子どもの口腔ケアで気をつけることはありますか?
お子さんは不安やストレスで口腔ケアを嫌がることがあります。楽しく取り組めるよう声かけの工夫が大切です。乳幼児(0〜5歳)には、仕上げ磨き用歯ブラシと、ガーゼまたは乳幼児用口腔ケアシートを備えてください(洗口液は誤飲のおそれがあるため使いません)。学童には、子ども用歯ブラシとフッ化物(フッ素)配合歯磨き粉の携帯サイズがあると役立ちます。避難所では甘いお菓子が配られることも多いため、可能な範囲でケアを続けてください。
誤嚥性肺炎とは何ですか?
食べ物や唾液が誤って気管に入り(誤嚥)、口の中の細菌が肺で炎症を起こす病気です。高齢者や飲み込む力が弱い方に起こりやすく、災害時には口腔衛生の悪化と体力低下が重なることで、リスクが高まると考えられています。
高齢者・介護者向け
義歯(入れ歯)を使っている家族がいます。災害時に注意することは?
義歯は紛失しやすいため、就寝時は外して、ふた付きの容器に水を張って入れ、置き場所を毎回同じにしてください。容器に油性ペンで氏名を書いておくと、避難所での取り違えや紛失の防止に役立ちます。非常持出袋に義歯ケースと洗浄剤を入れておくと安心です。義歯が合わなくなると食事量が減り、体力が落ちることがあるため、かかりつけ歯科の連絡先も控えておきましょう。
要介護の家族がいますが、避難所でのお口のケアが不安です。
ケアを始める前に、できるかぎり上半身を30度以上起こし、あごを軽く引いた状態にしてください。起こせない方、起こすと体に負担がかかる方は無理をせず、担当の医療者・介護職や避難所の救護班・保健師に相談してください。口腔ケアシートやスポンジブラシがあると介助しやすくなります。ガーゼやシートで拭く場合は、指に巻いて端を必ず口の外に出したまま持ち、拭いたらすぐ口から出し、口の中に何も残っていないか毎回目で確かめてください。噛む力が残っている方、口に触れると強く噛み込む方、認知症のある方、自分で吐き出せない方には、指や布を口の中に入れる方法は行わないでください。飲み込む力が弱っている方、自分で水を吐き出せない方に水を口に含ませると、誤嚥のおそれがあります。無理にすすがせないでください。汚れの受け皿としてティッシュやガーゼを口の中に置く方法はとらないでください。口の乾きには、口腔用保湿ジェルをごく少量(米粒から小豆大ほど)薄く塗ると楽になることがあります。塗る前に、前に塗ったジェルを湿らせたガーゼやスポンジブラシで必ず拭き取ってください。拭き取らずに重ね塗りを続けると、乾いて固まったジェルがはがれ、のどに落ちて誤嚥や窒息の原因になることがあります。のどの奥や上あごの奥には塗らないでください。日頃から使っているケア用品を非常持出袋にも入れておくと、避難所でも普段に近いケアが継続しやすくなります。
飲み込みにくい(むせやすい)家族がいます。避難所での食事が心配です。
とろみ剤があれば備蓄品に加えておくと役立ちます。使用量は製品により異なるため、必ずお使いの製品の表示を確認し、ふだん使っているとろみの段階をメモしておきましょう。ふだんの指示がある方は、そちらを優先してください。避難所では柔らかい食事が十分に手に入らないこともあるため、介護食やレトルトのやわらかい食品も備えておくと安心です。
自治体・行政担当者向け
自治体として、まず何から始めればいいですか?
3つのステップをおすすめしています。まず、備蓄品に口腔ケア用品が含まれているか点検すること。次に、庁内の関係部署(防災・保健・福祉・介護)で情報を共有する勉強会を開くこと。そして、次回の防災訓練にお口のケアの要素を試験的に組み込むことです。いずれも大きな予算をかけずに始められます。
どの部署が担当するのが適切ですか?
防災危機管理課を起点に、保健福祉課、高齢者福祉課、地域包括支援センター、学校教育課(学校保健)との連携が効果的です。口腔防災は複数部署にまたがるテーマですが、だからこそ住民の健康と安全を守る横断的な取り組みとして価値があります。
予算が限られていますが、導入は可能ですか?
はい、小さく始めることが可能です。既存の防災訓練に口腔ケアの情報提供を加える、備蓄品に少量の口腔ケア用品を追加する、職員研修(90分程度)を実施するなど、既存の仕組みに乗せる形で始められます。
要配慮者支援との関連を教えてください。
高齢者、障がいのある方、要介護者は、口腔のトラブルによる健康への影響を受けやすい方々です。義歯の管理、口腔乾燥への対応、嚥下(飲み込み)機能への配慮は、要配慮者の健康リスク(誤嚥性肺炎・低栄養)の軽減を目指す具体的な施策の一つになります。要配慮者台帳に嚥下・義歯情報を加える検討も有効です。
避難所運営マニュアルに口腔ケアを組み込めますか?
はい。避難所の開設チェックリストに口腔ケア用品の配備項目を追加する、巡回時の口腔スクリーニング手順を加える、口腔ケアブースの設置要領を盛り込むなどの形で、既存のマニュアルに段階的に組み込むことができます。
他の自治体での導入事例はありますか?
現在、モデル自治体でのパイロット導入を準備中です。先行事例が整い次第、導入フローや効果検証の結果を共有してまいります。ご関心のある自治体には、個別にご説明させていただきます。
歯科医療・専門職向け
歯科医療者としてどのように参画できますか?
地域での啓発活動への参加、自治体向け研修での講師・監修、防災訓練での口腔スクリーニングの実施、教材・コンテンツの専門的な監修など、さまざまな形で関わっていただけます。詳しくはお問い合わせください。
アドバイザー認定制度について教えてください。
ベーシック(市民・多職種向け)、プロフェッショナル(医療従事者向け)、インストラクター(指導者向け)の3階層で、地域の担い手を育成する仕組みを設計中です。制度の詳細が確定次第、改めてご案内いたします。
多職種(介護職、栄養士、救急隊員など)も関われますか?
はい、むしろ多職種の参画が不可欠と考えています。口腔防災は歯科だけの課題ではなく、介護、栄養、救急、行政など幅広い専門性が必要です。それぞれの視点からの参画をお待ちしています。
企業・団体向け
企業としてどのような連携が可能ですか?
CSR/ESGの観点からのプロジェクト協賛、防災用品・口腔ケア物資の提供、社員向け防災研修での導入、BCP(事業継続計画)への口腔ケア視点の組み込み、地域貢献活動との連携など、さまざまな形があります。まずはお気軽にご相談ください。
商品やサービスの宣伝に使われませんか?
本プロジェクトは公衆衛生の向上を目的とした公益活動です。特定の製品の医療効果を断定する表現や過度な商業広告は、協会の基準により制限します。公益性を損なわない表現管理を徹底しており、すべての広報物は事務局の確認を経て公開されます。