ブラケット矯正をしている方の災害への備え
この内容は暫定案です。専門家の確認を受けていません。判断に迷うときは、必ず医療者にご相談ください。
どのような方が対象か
歯に接着するブラケットとワイヤーで矯正治療を受けている方と、そのご家族・介助者の方に向けたページです。歯の裏側に装置を付けている方(舌側矯正)、部分矯正の方、バンド・急速拡大装置・矯正用アンカースクリュー(歯ぐきに埋めるネジ)・取り外しできない保定装置を使っている方にも、多くの内容が当てはまります。取り外しができるマウスピース型矯正装置の方、取り外し式の保定装置(リテーナー)の方は、それぞれのページをご覧ください。持病があり主治医や歯科医師から個別の指示を受けている方は、その指示が優先されます。ふだん介助を受けている方は、「支援する方へ」の項目もあわせてご覧ください。装置やその破片を飲み込んだ・のどに詰まらせたときの応急対応は、このページとは別に用意している共通の案内をご覧ください。
すぐに医療者へ連絡してください
- 119番がつながらないときは、避難所の運営本部・救護所、近くの医療者や消防団に、大きな声で助けを求めてください。
- 装置・ワイヤー・ネジなどの破片を、飲み込んだ・吸い込んだ疑いがあるとき。症状がなくても、歯科ではなく医科の医療機関(救急外来など)に相談してください。避難所では医療班に伝えてください。その後に腹痛・吐血・黒い便が出たときも同じです。
- 顔や頭を強く打った後に、意識がもうろうとする、一度でも意識を失った、繰り返し吐く、けいれんする、記憶があいまい、耳や鼻から血や透明な液が出る。ただちに119番。
- 顔や口を強く打った後で、歯が大きくぐらつく、歯が抜けた、歯の位置がずれた、口が閉じられない、あごが動かない。
- 口の中や唇からの出血が、清潔なガーゼで10分以上圧迫しても止まらない。血をさらさらにする薬(抗血栓薬)を飲んでいる方、血が止まりにくい病気のある方は、10分を待たずに早めに相談してください。
- 顔・あご・首・目の下が腫れてきた、腫れが広がっている、口が指2本分開かない。
- 38度以上の発熱があり、あわせて口やあごの強い痛み・腫れがある。糖尿病のある方、免疫を抑える薬や抗がん治療を受けている方は、熱がなくても腫れや痛みが出たらすぐに相談してください。
- 飲み込みにくい、息がしにくい、首が腫れて痛む。
- ゴムや金属に触れた後に、唇・舌・のどが腫れる、じんましんが出る、息が苦しい。アレルギー反応の可能性があります。ただちに119番。
- 口の中の傷が急に大きくなる、または強い痛みで水分が取れない状態が続く。
矯正装置やその破片を、のどに詰まらせたとき
口の中に入れるものを使っている方に、起こりうることです。 いざというときに動けるよう、平時に読んでおいてください。
声が出せない、咳ができない、顔色が青くなる
のどが完全にふさがっています。すぐに119番に連絡してください。周りに人がいれば、通報を頼み、自分は本人のそばを離れないでください。 のどを手でつかむしぐさ(チョークサイン)が出ることがあります。
背中をたたく、腹部を突き上げるといった手当てがあります。 やり方を知っている方は、通報と並行して行ってください。 知らない場合は、119番の通信指令員が電話口で手順を教えてくれます。 指示に従ってください。
咳ができている、声は出せる
まだ空気は通っています。むやみに背中をたたいたり、 指を口に入れてかき出そうとしたりしないでください。 かえって奥に押し込むことがあります。 咳を続けてもらい、出てこないときは医療者に連絡してください。
飲み込んだかもしれないが、症状はない
症状がなくても、金具のあるものや、とがった破片を飲み込んだ可能性があるときは、 医療機関にご相談ください。気づかないうちに気管に入っていることもあります。 「見当たらない」だけで、飲み込んだかどうか分からない場合も同じです。
このブロックは、口の中に入れる装置を扱うページに共通で表示しています。 窒息の手当ては、実際に体を動かして学ぶものです。 お住まいの地域の消防が行う救命講習の受講をおすすめします。
災害時に起こりやすいこと
- ワイヤーの端が伸びて出てきて、頬の内側や舌に当たり、痛みや傷ができることがあります。硬いものを噛んだ後や、顔をぶつけた後に起こることが、歯科の日常診療ではよく経験されます。
- ブラケットが歯から外れる、またはゆるんで動くことがあります。外れたブラケットがワイヤーに引っかかったまま、口の中でぶら下がることがあります。
- 矯正用アンカースクリューがゆるむ、バンドが外れる、結紮線(歯とワイヤーを留める細い針金)が飛び出す、パワーチェーンが切れるなど、付属の部品にトラブルが起こることがあります。小さく硬い部品のため、外れたことに気づきにくいことがあります。
- 装置の周りは食べかすや歯垢(プラーク=細菌のかたまり)が停滞しやすく、水が乏しい避難生活では汚れが残りやすくなります。装置の周囲に白い脱灰(歯の表面が白く濁ること)やむし歯が生じるおそれがあります。
- 断水すると、手元にある水が浴槽の残り湯・雨水・河川水・井戸水・プール水などの生活用水だけになることがあります。これらは飲むことを想定していない水で、口をすすぐ用途には使えません。
- 定期的な調整(ワイヤー交換や締め直し)に通えなくなります。通院が止まる期間が長引くと、治療の進み方や計画に影響が出ることがあります。
- 顎間ゴム(上下の歯にかけるゴム)を使っている方は、切れたり、なくしたり、持ち出せなかったりします。サイズや種類が指示されているうえ、ラテックス(天然ゴム)アレルギーの方には非ラテックス製が指定されていることがあり、他のもので代用できません。
- 支援物資は乾パン・パン・おにぎり・カップ麺など、装置に絡みやすいものや、噛む力が要るものに偏りがちです。硬いものを噛んで装置が外れることがあります。
- 避難所では口を開けて食べる場面が人目に触れます。装置が目立つこと、話しにくいこと、痛みを言い出しにくいことが、心理的な負担になることがあります。
発災前に準備しておくもの
- 矯正用ワックス(装置を覆う白い粘土状のもの)を1〜2個、非常用持ち出し袋に入れておいてください。かかりつけの矯正歯科で分けてもらえる場合があります(対応は医院によって異なります)。防災袋を点検するタイミングで、ワックスの状態も一緒に確認してください。
- 顎間ゴムを使っている方は、未開封の予備を1袋、持ち出し袋に入れておいてください。サイズや種類が指示されているため、市販の輪ゴムでは代用できません。ラテックスアレルギーがある方は、指定された非ラテックス製であることを確認してください。
- かかりつけの矯正歯科の名称・電話番号・担当医名に加えて、地域の歯科医師会と自治体の災害時歯科相談窓口の連絡先も、紙に書いて入れてください。停電でスマートフォンが使えないことがあります。
- 現在の治療内容が分かるもの(診察券、治療計画書の写し、装置の説明書、直近の口の中の写真)を用意してください。印刷する手段がないときは、診察券の番号と医院の連絡先を手書きするだけでも役に立ちます。口の中の写真は他人の目に触れない場所に保管し、医療者に見せるとき以外は出さないでください。未成年の方の写真はとくに扱いに注意してください。
- お薬手帳、または飲んでいる薬とアレルギーを書いた紙を入れてください。持病や常用薬は、口のトラブルへの対応にも関係します。
- 歯ブラシ、歯間ブラシまたはタフトブラシ(毛先が小さい一本磨き用)、フッ化物入り歯みがき剤を、ふだんの防災袋に入れてください。装置がある方は、通常より道具が必要です。
- 口のケアに使う飲める水(ペットボトルの水など)を、飲料用とは別に取り分けておいてください。断水すると、口をすすぐのに使える水がなくなることがあります。
- 洗口液を入れる場合は、アルコールを含まないものを選んでください。うがいをして自分で吐き出せる方に限ります。小さなお子さんや、飲み込む力が落ちている方には向きません。
- 小さなピンセットと、ふた付きの小さな容器(外れた装置や部品を保管するため)を入れておくと役立ちます。
- 市販の鎮痛薬は、年齢・持病・飲んでいる薬によって使えないものがあります。喘息のある方、妊娠中・授乳中の方、腎臓や胃腸に持病のある方、血をさらさらにする薬を飲んでいる方、お子さんは、使える薬の種類が限られます。ふだんから使っていて問題がなかったものだけを用意し、事前に薬剤師やかかりつけ医に確認してください。災害時に新しい薬を初めて試さないでください。
発災直後に確認すること
- まず身の安全を確保してください。顔や頭を強くぶつけた場合は、口の中や装置よりも先に、頭のけがを確認してください(下の「緊急受診が必要な症状」を参照)。装置の確認はその後です。
- 口の中を調べるときは、まず明かりのある場所で鏡を使って見てください。舌で確かめるときは、押し当てず、そっと触れる程度にしてください。とがった部分を舌でなぞって探さないでください。舌の粘膜は薄く、飛び出したワイヤーの端で切れることがあります。
- 歯が抜けたときは、歯の頭(白い部分)を持ち、歯根(とがった側)は洗ったりこすったりしないでください。牛乳、なければ生理食塩水や本人の唾液で湿らせ、乾かさないように保存して、できるだけ早く歯科または医療班に持参してください。乾燥させると元に戻せる可能性が下がるとされています。
- 装置や部品が見当たらないときは、飲み込んだ・吸い込んだ可能性を考えてください。対応はページ共通の案内と、下の「緊急受診が必要な症状」を参照してください。
- ワイヤーが当たって痛むときは、矯正用ワックスで覆う方法があります。ワックスは、指で少しちぎって丸め、水気を軽く拭いてから、とがった部分にかぶせて押し付けてください。痛みが続くとき、悪化するとき、判断に迷うときは、歯科医療者に相談してください。緊急かどうかは、このページでは判断できません。
- ワックスは、少量であれば大きな問題になりにくいと歯科の実務では扱われていますが、飲み込んでも安全だと確かめられているわけではありません。剥がれたら新しいものに替えてください。むせたり咳き込んだりしたときは、ページ共通の案内を参照してください。
- ワックスがないときは、清潔なガーゼを、誤って飲み込めない大きさ(小さく折らず、1枚を厚めにたたむ)にして、当たる部分と頬の間に一時的にはさむ方法があります。使えるのは、自分で確実に出し入れができ、違和感をすぐ伝えられる方に限ります。口の中に置いたままにせず、食事や就寝の前に必ず取り出してください。ティッシュは唾液で崩れて破片が口の中に残るため、使わないでください。
- ブラケットがワイヤーから完全に外れた場合は、飲み込む前に口から取り出し、ふた付きの容器に保管してください。ワイヤーに引っかかったまま動く場合は、動かないようにワックスで覆う方法があります。覆えないときは、口に入れたまま眠らないよう、就寝前に必ず状態を確認してください。歯科に連絡がつく手段を探しながら過ごしてください。
- 外れた装置やワイヤーの破片が手元にある場合は、捨てずに容器に入れて保管してください。後で歯科医療者が状況を確認する材料になります。
- ワックスの残りを確認し、少ないときは、とくに痛む場所に絞って使ってください。顎間ゴムは、残りが少なくなっても、かけ方や回数を自分で変えないでください。まず歯科医療者に連絡してください。連絡がつかない間の扱いは、平時のうちにかかりつけへ確認しておくと安心です。
避難所での注意
- 水が少なくても、歯ブラシで装置の周りをこすること自体は水なしでできます。歯みがきを完全にやめないでください。
- 口をすすぐ水は、飲める水を使ってください。浴槽の残り湯、雨水、河川水、井戸水、プール水などの生活用水で、うがいやすすぎをしないでください。飲める水がないときは、すすがずに、ぬれた清潔なガーゼやウェットティッシュで、装置の周りと歯の表面をぬぐってください。
- コップ1杯の飲める水しかないときも、少量ずつ数回に分けてすすぐ方法があります。装置の周りは汚れが落ちにくい場所で、これだけで汚れを落としきれるわけではありませんが、何もしないよりは汚れを減らせると考えられています。落としきれないことを前提に、できる範囲で回数を確保してください。
- 歯みがき剤は少量にするか、つけずに磨いて後で軽くすすぐ方法もあります。すすぐときの水は飲める水を使ってください。
- 洗口液がある場合は、ぬぐった後の仕上げに使う方法もあります。ただし、水のかわりに汚れを落とせるかどうかは分かっていません。まず物理的にぬぐうことを優先してください。アルコールを含む製品は刺激が強く、口の乾きを強めることがあります。うがいをして自分で吐き出せる方に限って使い、小さなお子さんや、飲み込む力が落ちている方、自分で吐き出せない方には使わず、ぬれたガーゼでぬぐう方法にしてください。
- 支援物資の硬いもの(乾パン、せんべい、ナッツ、りんごの丸かじり)は、装置が外れる原因になります。小さく割る、ふやかす、細かく切ってから食べてください。
- 歯ぐきから少し出血しても、多くは汚れが原因で、やさしく磨き続けてよいと歯科の実務では扱われています。ただし、血をさらさらにする薬(抗血栓薬)を飲んでいる方や、血が止まりにくい病気のある方は、出血が止まりにくいことがあります。清潔なガーゼで押さえても止まらないときは、早めに相談してください。
- 口の中が痛くて食べる量が減ると、体力の低下につながることがあります。食べられないことは我慢すべきことではありません。避難所の運営者や、巡回する保健師・歯科の支援チームに遠慮せず伝えてください。
- 装置が目立つことが気になって人前で食べにくいときは、時間帯や場所をずらして構いません。運営者に相談すれば配慮を得られることがあります。装置は治療中である証で、恥ずかしいことではありません。
- 災害時には歯科の支援チームが避難所を巡回することがあります。矯正装置のトラブルも相談してよい内容です。「矯正だから後回し」と自分で判断しないでください。
自宅で避難するときの注意
- 断水中も、口のケア用に飲める水を1日分取り分けておいてください。飲料水とは別に決めておくと続けやすくなります。浴槽の残り湯などの生活用水は、口をすすぐのには使わないでください。
- 停電で暗いときは、懐中電灯やスマートフォンのライトで手元を照らして磨いてください。暗いまま磨くと磨き残しが増えます。
- かかりつけの矯正歯科に、電話・メール・SNSで連絡がつくか試してください。休診でも、留守番電話や掲示で連絡先が案内されていることがあります。
- かかりつけに連絡がつかないときは、地域の歯科医師会、自治体の災害時歯科相談窓口、避難所の救護所、巡回する歯科支援チームが相談先になります。連絡がつく先が一つもない状態で待たないでください。
- 受診先には、かかりつけの再開を待つ方法と、近隣で応急処置に対応できる医院を探す方法があります。どちらがよいかは、治療の段階や被災の状況によって異なります。まずはかかりつけ、または地域の相談窓口に状況を伝え、判断の材料をもらってください。
- 軟らかい食事が続くときも、歯みがきの回数を減らさないでください。軟らかいものほど装置の周りに残りやすい傾向があります。
- 過去の災害では、保険証や診察券が手元にない場合の取り扱いに特例が設けられた例があります。適用されるかどうかは災害の規模や自治体の対応によって異なるため、受診前に自治体や医療機関の案内を確認してください。手元に何もなくても、まず相談してよい状況です。
ご家族・介助される方が行うこと
- 口の中を見るときは、見てよいか声をかけ、何をするかを先に伝えてから行ってください。できるだけ人目の少ない場所を選んでください。ご本人が口を開けたがらないときは、無理に開けさせないでください。「見せて」ではなく「どこが痛い?」と聞いてください。
- 見るときは明かりを確保し、手を清潔にしてから、頬をそっと外側に引いて見てください。装置には触らないでください。
- とがったワイヤーを指でなぞって探さないでください。手指が傷つきます。ご本人に、どこが当たって痛むかを教えてもらってください。
- ガーゼを頬との間にはさむ方法は、自分で確実に取り出せる方に限ります。小さなお子さん、認知症のある方、飲み込む力が落ちている方、意識がはっきりしない方、自分で取り出せない方には行わないでください。
- 眠る前に、口の中にガーゼや外れた部品が残っていないかを確認してください。口の中に置いたままにしないでください。
- お子さんや高齢のご家族の場合、歯みがきを見守ってください。装置があると手順が増えるため、疲れていると省略されがちです。
- 食事を渡すときは、硬いものや粘着性の強いものが含まれていないか確認してください。とくにもちは、装置の有無にかかわらず窒息の危険があります。氷を噛ませないでください。
- 「痛い」「食べられない」と言えない方がいます。食べ残しが増えた、口数が減った、片側だけで噛んでいる、といった変化に気づいたら声をかけてください。
- 避難所の運営者や支援に来た医療者に状況を伝えるときは、ご本人の了解を得たうえで、できるだけご本人が同席する場で伝えてください。何をどこまで伝えるかも、ご本人と決めてください。矯正治療中であること、いつから調整に行けていないかが伝わると、話が早く進みます。
やってはいけないこと
- 自分でワイヤーを切らないでください。爪切り・ニッパー・はさみで切ると、破片が口の中に飛び、飲み込んだり気管に入ったりする危険があります。切った断面がさらにとがって粘膜を傷つけることもあります。連絡がつかない間は、ワックスまたは清潔なガーゼで覆う、軟らかいものを選ぶ、当たる側で噛まない、という方法で対応してください。かかりつけに連絡がつかないときは、地域の歯科医師会・自治体の災害時歯科相談窓口・避難所を巡回する歯科支援チームが相談先になります。
- 自分でブラケットやワイヤーを外そうとしないでください。歯のエナメル質(歯の表面の硬い層)を傷めることがあり、治療計画にも影響します。
- ゆるんだブラケットを、接着剤・瞬間接着剤・ガムなどで自分で付け直さないでください。口の中に使ってよい材料ではありません。
- とがったワイヤーを、ペンチや箸で曲げ戻そうとしないでください。金属が折れて破片ができることがあります。
- 急速拡大装置などのネジを、自己判断で回したり、回すのをやめたりしないでください。指示された回数がある場合も、それを続けてよいかを歯科に確認してください。
- 他の人の顎間ゴム、輪ゴム、ヘアゴムを代わりに使わないでください。強さも衛生状態も異なり、歯や歯ぐきを傷めるおそれがあります。また、ラテックス(天然ゴム)アレルギーのある方では、じんましんや呼吸困難などの重い反応が起こるおそれがあります。支援物資の輪ゴムには天然ゴム製のものが多く含まれます。
- 顎間ゴムを、指示されたより強く・長く・多くかけないでください。「早く治したい」と自己判断で増やすと、歯や歯の根を傷めるおそれがあります。
- 割れた・ひびが入った・欠けた・変形した装置や部品は、そのまま使わないでください。顎間ゴム、取り外しできる補助装置、併用している保定装置などが該当します。破片が欠けて口の中に残るおそれがあります。使わずに保管し、歯科医療者に相談してください。
- 装置を飲み込んだかもしれないときに、吐かせようとしたり、指やものをのどに入れて確かめようとしないでください。とがった破片で食道やのどを傷つけるおそれがあります。
- ぐらついた装置や破片、はさんだガーゼを、口に入れたまま眠らないでください。口の中に置いたままにもしないでください。崩れたり外れたりした破片が残ると、窒息の原因になります。
- 次のようなときは、ガーゼを口の中にはさむ方法や、取り外し式の装置(併用している保定装置など)を口に入れたまま眠る方法を行わないでください。睡眠薬や抗不安薬を飲んだ夜、飲酒した夜、発熱や嘔吐で体調が悪いとき、意識がはっきりしないとき、けいれんの持病があるとき、飲み込む力が落ちているとき、認知症などで外し忘れが起こりうるとき。これらに当てはまるときは装着を控え、医療者に相談してください。
- 自分で吐き出せない方、認知症のある方、小さなお子さんには、ガーゼなどを口の中に入れる方法を行わないでください。
- 浴槽の残り湯、雨水、河川水、井戸水、プール水などの生活用水で、口をすすいだり、うがいをしたりしないでください。口に入れる前の最後のすすぎは、飲める水を使ってください。飲める水がないときは、すすがずに、ぬれた清潔なガーゼやウェットティッシュで拭き取ってください。
- キャラメル・ガム・もちなど粘着性の強いものは、装置に絡んで外れやすくなります。食べないでください。とくにもちは、装置の有無にかかわらず窒息の危険があり、避難所では救助が遅れることがあります。
- 氷を噛まないでください。硬く、装置が外れる原因になります。小さく割っても噛まずに溶かしてください。
- 水がもったいないという理由で歯みがきをやめないでください。装置がある口は汚れが停滞しやすく、短い期間でも脱灰やむし歯が進むおそれがあると考えられています。
- 他の人からもらった痛み止めを、自己判断で飲まないでください。年齢・持病・飲んでいる薬によって、使えない薬があります。
- 痛みを我慢し続けないでください。食事量が減ると体力が落ちます。矯正装置のトラブルは「命に関わらないから相談してはいけない」ことではありません。
歯科医療者に相談する目安
- ワックスで覆っても痛みが続く、または同じ場所に潰瘍(口内炎のような傷)ができて治らないとき。
- ブラケットが外れた、大きくゆるんで動く、ワイヤーから外れて口の中でぶら下がっているとき。
- ワイヤーが歯から抜けて、装置全体がずれているとき。
- 矯正用アンカースクリューがぐらつく、バンドが外れた、結紮線が飛び出した、パワーチェーンが切れたとき。
- 顎間ゴムを切らしたとき。何日まで大丈夫かはこのページでは示せません。切らしたと分かった時点で連絡してよい内容です。かけ方や中断について、自分で決めないでください。
- 調整の予定日に行けなくなったと分かった時点で、期間の長短にかかわらず一度連絡してください。どのくらい空けてよいかは治療の段階によって異なるため、このページでは日数の目安を示していません。電話やオンラインでも相談してよい内容です。
- 装置の周りの歯ぐきが赤く腫れている、みがくと出血する状態が続くとき。
- 装置の周りの歯の表面が白く濁って見えるとき(脱灰の可能性があります)。
- 糖尿病のある方、免疫を抑える薬や抗がん治療を受けている方、骨吸収抑制薬(骨粗鬆症の飲み薬・注射)を使っている方は、症状が軽くても早めに相談してください。腫れや感染が進みやすいことがあります。
- かかりつけに連絡がつかないときは、地域の歯科医師会、自治体の災害時歯科相談窓口、避難所の救護所、巡回する歯科支援チームに相談してください。
- 口の中は落ち着いていても、装置が気になって食べられない・眠れない・人前に出られないと感じるとき。心理的な負担も相談してよい内容です。
関連する質問
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- 避難生活でジュースやお菓子ばかりです。むし歯が心配です非常時は、まず水分とエネルギーを確保することが優先です。甘いものを我慢しすぎる必要はありません。そのうえで、砂糖が多く歯にくっつきやすいものは食べる回数を減らし、食べたあと・飲んだあとに水やお茶をひと口含む。これが、多くの場合まず試していただきたい対処です。なお、ガム・タブレット・あめ・かたいままの果物は、のどに詰まらせる危険があります。5歳くらいまでのお子さんや、飲み込む力が弱くなっている方には与えないでください。
この内容について
- 監修の状態:
- 暫定案です。専門家の確認を受けていません
- 最終更新:
- 2026-08-01
分かっていないこと:【要専門家確認】このページは監修前の暫定案です。矯正治療中に起こりやすいトラブルへの平時の対応と、災害時の口腔ケアに関する実務知見をもとに構成していますが、災害下のブラケット矯正患者を対象とした検証は十分に行われていません。今回の改訂で、緊急度をサイト側が断定していた記述(「緊急ではありません」)、顎間ゴムの使用量を自分で配分させる記述、受診先の待機を推奨する記述を削除し、判断の主体をご本人と医療者に戻しました。あわせて、装置を飲み込んだ・吸い込んだ場合の応急対応はページ共通のブロックに委ね、このページでは相談を促す1項目に整理しています。共通ブロックとの記述の整合は、公開前に必ず確認してください。直せなかった不確実性は次のとおりです。(1) 通院が中断した期間の長さと、その後の治療期間や結果への影響について、確立した目安はありません。本文から日数・月数の目安をすべて削除しましたが、代わりに示すべき運用上の基準があるかは監修者の判断を仰ぐ必要があります。(2) 断水下での歯みがき代替手段(ぬれたガーゼ、ウェットティッシュ、洗口液など)が、装置周囲の脱灰やむし歯をどの程度防げるかは、明確な根拠が示されていません。「汚れを減らせると考えられています」以上の効果は書いていません。(3) ワックスがないときにガーゼを一時的にはさむ方法は、実務上の工夫であり、有効性や安全性が検証されたものではありません。除外条件と「口の中に置いたままにしない」注意を加えましたが、そもそも掲載すべきかどうかを含めて監修者の判断を仰ぐ必要があります。(4)「自分でワイヤーを切らない」という記載について、歯科にアクセスできない状況が長期化した場合に例外を認めるかどうかは未確定です。本文には確定している部分(切らない/連絡がつかない間の代替手段)だけを書いています。(5) 顎間ゴムを中断した場合の影響と再開の判断は、個々の治療計画によって異なり、一般化できません。(6) 矯正用ワックスを飲み込んだ場合の安全性について、確かめられた根拠を示せる資料を確認できていません。(7) ぶら下がったブラケットをワックスで覆って固定する方法の具体的な手順と、その安全性は検証されていません。(8) 受診の目安として示した数値(38度以上、口が指2本分、圧迫10分)は一般的な救急受診の目安に基づくもので、矯正装置のトラブルに特化して検証されたものではありません。抗血栓薬内服中の方に示した「10分を待たずに」という表現も、具体的な時間の根拠はありません。(9) 抜けた歯の保存方法(牛乳・生理食塩水・唾液)と時間の緊急性については、外傷の専門的な指針との整合を監修時に確認する必要があります。(10) 災害時の受診における保険証・身分確認の取り扱いは、災害の規模や自治体の対応によって異なるため、公開時点の公式情報で確認する必要があります。(11) 本文中の医学的な記述に出典(sources)を付けられていません。根拠を付さないまま公開しないでください。(12) このデータは既存の Audience 型の構造(content 配下へのネスト、updatedAt / reviewStatus / reviewerDomain / sources の付与、keywords の置き場所)に未対応です。実装時に型を確認してください。個別の判断は、必ずかかりつけの歯科医師にご相談ください。
この情報は一般的な内容です。個々の症状の診断や治療方針を示すものではありません。 判断に迷うときは、医療者にご相談ください。緊急の場合は119番へ。