本文へ移動⚠ 熊本地震で被災された方へ — 水がなくてもできる歯磨き・入れ歯の対処(軽量ページ)

マウスピース矯正をしている方の災害への備え

この内容は暫定案です。専門家の確認を受けていません。判断に迷うときは、必ず医療者にご相談ください。

どのような方が対象か

取り外し式のマウスピース型の装置(アライナー)で歯並びの治療を受けている方と、そのご家族・介助者の方に向けたページです。装着時間や段階(ステージ)の進め方について書いた内容は、治療中のアライナーを前提にしています。治療が終わって保定用のマウスピース(リテーナー)を使っている方は、装着の指示が治療中とは大きく異なります(夜間だけ、など)。保管のしかた・洗い方・なくしたときの記録の残し方は共通して読めますが、装着時間については、このページの数字ではなく、かかりつけの歯科医院の指示と保定用マウスピースの対象者ページを優先してください。ご自身の装置について歯科医院から別の説明を受けている場合は、いずれもそちらが優先です。

すぐに医療者へ連絡してください

  • 顔・頬・あご・口の底が腫れてきた。腫れが目の下や首・のどのほうへ広がっている。すぐに医療者に助けを求めてください。
  • 口が指2本分開かない。飲み込みにくい。息が苦しい。声が変わった。すぐに医療者に助けを求めてください。
  • 38度以上の熱があり、口の中や歯の痛み・腫れをともなう。
  • くちびる・舌・のどが急に腫れた、じんましんが出た、息が苦しい(アレルギー反応の疑い)。すぐに医療者に助けを求めてください。
  • 口の中の出血が、ガーゼで10〜15分ほど押さえても止まらない。
  • 血液をさらさらにする薬(抗血栓薬)を飲んでいる方は、出血が止まりにくいことがあります。10〜15分を待たず、押さえても止まりにくいと感じた時点で早めに相談してください。
  • 外傷で歯が抜けた、大きくぐらついている、位置がずれた。あごを強く打った。
  • 口の中を切って傷が深い、出血が多い、異物が刺さっている。
  • 装置や破片を飲み込んだ、または吸い込んだ疑いがある。症状がなくても相談してください。
  • 糖尿病、透析、ステロイド・免疫抑制剤・抗がん治療を受けている方は、腫れや発熱が軽く見えても早く進むことがあります。上のサインが1つでもあれば、待たずに相談してください。
  • 通信や交通が途絶えてかかりつけに連絡がつかないときは、避難所の救護所、保健師、自治体の災害時歯科相談の窓口など、その場で最も早く届く相手に助けを求めてください。

マウスピースやその破片を、のどに詰まらせたとき

口の中に入れるものを使っている方に、起こりうることです。 いざというときに動けるよう、平時に読んでおいてください。

声が出せない、咳ができない、顔色が青くなる

のどが完全にふさがっています。すぐに119番に連絡してください。周りに人がいれば、通報を頼み、自分は本人のそばを離れないでください。 のどを手でつかむしぐさ(チョークサイン)が出ることがあります。

背中をたたく、腹部を突き上げるといった手当てがあります。 やり方を知っている方は、通報と並行して行ってください。 知らない場合は、119番の通信指令員が電話口で手順を教えてくれます。 指示に従ってください。

咳ができている、声は出せる

まだ空気は通っています。むやみに背中をたたいたり、 指を口に入れてかき出そうとしたりしないでください。 かえって奥に押し込むことがあります。 咳を続けてもらい、出てこないときは医療者に連絡してください。

飲み込んだかもしれないが、症状はない

症状がなくても、金具のあるものや、とがった破片を飲み込んだ可能性があるときは、 医療機関にご相談ください。気づかないうちに気管に入っていることもあります。 「見当たらない」だけで、飲み込んだかどうか分からない場合も同じです。

このブロックは、口の中に入れる装置を扱うページに共通で表示しています。 窒息の手当ては、実際に体を動かして学ぶものです。 お住まいの地域の消防が行う救命講習の受講をおすすめします。

災害時に起こりやすいこと

  • 取り外し式のため、災害時はとくに紛失しやすくなります。食事のたびに外す装置なので、避難所の配給や炊き出しの場面で、置き忘れ・取り違え・誤って捨てられる、といったことが起こりやすいと考えられます。
  • 治療中は1日20〜22時間程度の装着を指示されていることが多い装置です(平時に広く使われている一般的な目安で、実際の指示は歯科医院によって異なります)。避難生活では、食事の時間が不規則になる、人前で外し入れするのに抵抗がある、口をゆすぐ水がない、といった理由で装着時間が落ちやすくなります。装着時間が足りないと、計画したとおりに歯が動かないことがあると考えられています。
  • 次の段階へ進んでよいかどうかを、ご自身では判断できません。通信や交通が途絶えて歯科医院と連絡が取れない期間は、判断の材料がないまま過ごすことになります。
  • 多くの装置は熱で変形する樹脂でできています。夏の車内、直射日光の当たる場所、ストーブのそばなどに置くと、変形して合わなくなることがあります。
  • 断水すると洗浄が難しくなります。汚れたまま長時間装着すると、においや着色の原因になり、むし歯や歯ぐきの炎症のリスクが高まるおそれがあります。
  • 断水下では、浴槽の残り湯・雨水・川や井戸の水・生活用水として配られた飲めない水しか手に入らないことがあります。装置は口の中に長時間入れるものなので、これらの水で洗うと、そのまま口の中に病原体を持ち込むおそれがあります。
  • 装着したまま甘い飲み物やスポーツドリンク、食事をとると、装置の内側に糖分が停滞します。歯の表面と糖分が長く接することになり、むし歯のリスクが高まると考えられています。着色の原因にもなります。
  • 装置が割れると、ふちや破片がとがることがあります。とがった破片は口の中を傷つけたり、外れて飲み込んだり気道に入ったりするおそれがあります。
  • 歯に付いている小さな突起(アタッチメント)が外れたり、顎間ゴム(エラスティック)の予備が尽きたりすることがあります。避難所で他の方からゴムを分けてもらう場面も起こりえますが、材質が違うことがあります。
  • 治療が終わって保定用マウスピース(リテーナー)を使っている方は、装着が途切れると歯の位置が元に戻る方向へ動く(後戻り)ことがあると考えられています。

発災前に準備しておくもの

  • いま使っている段階の装置に加えて、ひとつ前の段階の装置、(渡されていれば)次の段階の装置を、それぞれ段階の番号を書いたケースに入れて防災バッグへ入れてください。手元にどの段階がそろっているかは、なくしたときに歯科医療者が判断するための材料になります。
  • フタがしっかり閉まる硬いケースを、予備を含めて2個以上用意してください。柔らかい袋やジッパー袋は、押しつぶされて装置が割れることがあります。名前は、ケースの内側か底面に油性ペンで書いてください。避難所では、外から見えるかたちでフルネームを書くと、氏名や治療の内容が周囲に分かってしまいます。取り違えを防ぐだけなら、シールや色テープで自分のものと分かるようにする方法もあります。
  • 歯科医院の名前・電話番号・担当の先生の名前・治療を始めた時期・いま何番目の段階かを、紙のメモとスマートフォンの写真の両方で持ってください。停電や電池切れに備えて、紙が必要です。
  • 歯ブラシ、歯間ブラシまたはフロス、少量の歯みがき剤を防災バッグに入れてください。装置をすすぐための飲める水(ペットボトルなど)も、少量でよいので分けて用意しておくと役に立ちます。
  • 洗口液(マウスウォッシュ)を入れておく方法もあります。ただし洗口液は口をすすぐための製品で、装置の洗浄用として作られたものではありません。用意する場合はアルコールを含まないもの(ノンアルコール、低刺激と書かれたもの)を選んでください。うがいをして吐き出すことが難しい方、小さなお子さん、飲み込む力が弱っている方には使わないでください。装置に使ってよいかどうかは、製品の表示と歯科医院の指示を確認してください。
  • 装置に触れる前後に手をきれいにできるよう、手指用のウェットティッシュや手指消毒液を入れておいてください。手指消毒液は手に使うもので、装置には使いません。
  • 顎間ゴム(エラスティック)を使っている方は、予備を多めに入れてください。ラテックス(天然ゴム)アレルギーのある方は、ふだん使っているゴムがラテックスを含まないものかを事前に歯科医院で確認し、予備は必ずご自身のものを持ってください。装置を歯に密着させるために噛む、シリコン製の小さな棒(チューイー)を使っている方も、予備を入れてください。
  • 口の中のいまの状態を、スマートフォンで正面・左右から撮って残しておいてください。あとで歯科に相談するとき、変化を伝えやすくなります。
  • 装置を渡されたときの説明書や、通院用アプリの画面を、スクリーンショットで保存しておいてください。

発災直後に確認すること

  • まず、ご自身と周りの方の安全を確保し、けががないかを確認してください。以下は、身の安全が確保できたあとに行うことです。
  • 口の中に痛み、出血、歯のぐらつき、アタッチメント(歯の突起)の外れがないか確認してください。転倒したり物がぶつかったりしていれば、なおさら確認してください。
  • 明るいところで装置を見て、ひび・欠け・ゆがみがないか確認してください。ふちが白くなっている、片側だけ浮く、といった変化にも注意してください。
  • 装置が割れていたときは、割れた破片をすべて集めて、数がそろっているか確認してください。見当たらない破片があるときは、飲み込んだ・気道に入った可能性を考え、症状がなくても医療者に相談してください。集めた破片は捨てずに保管し、連絡がついたときに歯科医院に見せてください。
  • 装置がいまどこにあるかを確認してください。口の中か、ケースの中か。避難で慌てて外した場合、その場に置いてきていることがあります。
  • いま何番目の段階を使っているか、その段階をいつから使っているかを、紙かスマートフォンに書き留めてください。連絡が取れるようになったとき、最初に聞かれる情報です。
  • 装置を高温になる場所に置いていないか確認してください。車の中、日の当たる窓際、暖房器具のそばは変形の原因になります。
  • 歯科医院の連絡先が手元にあるか確認してください。なければ、思い出せる範囲で医院名だけでも書き留めてください。

避難所での注意

  • 外した装置を、ティッシュや紙ナプキンに包んで置かないでください。ごみと見分けがつかず、捨てられることがあります。災害支援の現場でよく指摘される紛失のしかたです。必ずケースに入れてください。
  • ケースは、内側や底面の名前に加えて、シールや色テープなど外から見て自分のものと分かる目印を付けておくと、取り違えが起こりにくくなります。
  • 食事のたびに外し、外したらその場ですぐケースに入れてください。「あとで入れる」が紛失につながります。ケースは衣類のポケットではなく、決まった1か所に置いてください。
  • 装置に触れる前と後は、手を洗うか、手指用のウェットティッシュ・手指消毒液で手をきれいにしてください。手指消毒液を使ったときは、指がしっかり乾いてから装置に触れてください。消毒液が装置に付くと、材質を傷めることがあります。
  • 装置に割れ・変形がなく、痛みなく入る状態で、体調にも問題がなければ、就寝時は装着時間を確保しやすい時間帯です。ただし、次に挙げるようなときは装着を控えてください(「使ってはいけない状態」の項目を必ずお読みください)。歯科医院から別の指示を受けている場合は、そちらを優先してください。
  • 1日にどれくらい装着できたかを、メモかアプリで記録してください。あとで歯科に伝えると、治療を立て直すときの判断材料になります。
  • 共同の洗面所で洗うときは、排水口にネットやフタがあるか確認してから洗ってください。落として流すと回収できません。可能ならコップに水をためて、その中で洗ってください。口に入れる前の最後のすすぎには、飲める水を使ってください。
  • 人目が気になって装置を着けられない、外す場所がない、というときは、支援者・保健師・避難所の運営の方に相談してください。歯みがきや装置の管理の場所を求めることは、わがままではありません。治療の継続に必要なことです。

自宅で避難するときの注意

  • 装置は決まった場所に置いてください。停電で暗いなか、余震で物が動くなかでは、置き場所を1か所に固定しておくと見失いにくくなります。
  • 洗うときは、洗うところから最後のすすぎまで、飲める水を使ってください。コップに水をためて、その中でやわらかい歯ブラシを使って軽くこすります。飲める水に余裕がないときは、無理にすすぎに使わず、拭き取りにとどめてください。水と装置のどちらを優先するかは、そのときの水の量と体調によって変わります。迷うときは、まず飲む分を確保してください。
  • 飲める水がまったくないときは、装置を水で洗わず、清潔なガーゼや不織布で装置の内側をぬぐうだけにとどめてください。あくまで一時的なしのぎ方で、汚れが落ちることやむし歯・歯ぐきの炎症を防ぐことが確かめられている方法ではありません。飲める水が使えるようになったら、通常の洗い方に戻してください。
  • 歯みがき剤を装置に付けてこすらないでください。研磨剤で細かい傷がつき、くもりや着色の原因になると言われています。装置は水だけでこするのが基本です。
  • 装置を、直射日光の当たる窓際、車の中、ストーブや石油ファンヒーターのそば、湯たんぽの近くに置かないでください。多くの装置の材料は熱で変形し、変形すると元の形に戻らないことがあります。
  • 在宅避難では食事の回数や間食が増えがちです。装置を入れる前には、少なくとも口をゆすぐか、飲める水で湿らせたガーゼで歯の表面をぬぐってください。汚れたまま装置でふたをする状態を避けるためです。ガーゼを使うときは、崩れた破片が口の中に残ると窒息の原因になるため、口の中に置いたままにせず、使い終わったら必ず取り出してください。自分で吐き出すことが難しい方、認知症のある方、小さなお子さんには、この方法は行わないでください。
  • 装着時間を保つことと、口の中を清潔に保つことは、どちらも治療の継続に関わります。歯みがきが十分にできない日が続くとき、どちらをどこまで優先するかは、お口の状態や治療の段階によって変わるため、サイト側では決められません。装着できた時間と清掃の状況を記録しておき、連絡が取れ次第、かかりつけの歯科医院に相談してください。連絡がつかないあいだは、できる範囲で両方を続け、しみる・咬むと痛い・歯ぐきが腫れるといった変化が出たら、その時点で相談先を探してください。

ご家族・介助される方が行うこと

  • ご本人が使っている段階の番号、歯科医院名、連絡先を、ご本人の了解を得たうえでご家族も控えておいてください。ご本人が動揺していたり体調を崩したりしたときに必要になります。
  • 食事や配給のときに、装置を外す時間と、外したケースを置く場所を確保してあげてください。急かされると、その場に置いたまま離れてしまいます。
  • 口の中を見たり装置に触れたりする前には、必ず声をかけて同意を得てください。判断できるご本人の意思を飛び越えて管理しないでください。
  • 小さなお子さん、装置の管理を負担に感じている方、避難生活で疲れが強い方は、とくに紛失しやすくなります。ご本人が望む場合は、ケースの管理を一緒に行い、一日の終わりに「ケースの中か、口の中か」を声かけで確認してください。
  • 「見た目が気になって着けられない」と言う場合、責めないでください。避難所で口元を人に見られる状況は、ふだんとは違います。どの時間帯なら着けられそうかを、ご本人と一緒に考えてください。
  • 強い眠気がある、飲酒した、嘔吐している、発熱で体調が悪い、意識がはっきりしない、といったときは、就寝時に装置を入れたまま眠らせないでください。ケースに入れて保管し、あとで医療者に相談してください。
  • 支援者が装置を削る・曲げる・接着剤で直す、といったことは行わないでください。合わない装置を無理に入れると、歯やその周りに負担がかかるおそれがあります。
  • 口の中に強い痛み、腫れ、発熱があるとき、ご本人が我慢していることがあります。食事量や表情の変化に気づいたら、声をかけてください。

やってはいけないこと

  • 熱湯をかけない、煮沸しない、食器洗い乾燥機や電子レンジに入れないでください。多くの装置は熱で変形する樹脂です。変形すると元の形に戻らないことがあります。「消毒したい」という気持ちから起こりやすい失敗です。
  • 割れた装置、ひびの入った装置、変形した装置は使わないでください。歯に予定外の力がかかったり、割れた縁で歯ぐきや舌を切ったり、破片が外れて飲み込んだりするおそれがあります。合わないと感じた装置も、無理に押し込まないでください。
  • 装置が入らないときに、力ずくで入れ直さないでください。また、ご自身の判断でひとつ前の段階の装置に戻さないでください。前の段階に戻してよいかどうかは、歯が動いた量や治療の段階によって変わるため、歯科医療者が判断します。連絡がつくまでは装着を中止し、装置と破片は捨てずに保管し、いつから入らなくなったか・その間どれくらい着けられていたかを記録しておいてください。
  • 歯科と連絡が取れないあいだ、ご自身の判断で次の段階に進まないでください。日数が過ぎたからという理由だけで先へ進めると、合わない装置に無理な力がかかるおそれがあります。
  • 自分でハサミ・やすり・爪切り・カッターで装置を削らないでください。当たって痛い部分があっても、削ると装置が歯を動かす力の設計が変わってしまいます。
  • 割れた装置を接着剤やテープで直さないでください。接着剤は口の中に入れる前提で作られていません。
  • 浴槽の残り湯、雨水、川や井戸の水、プールの水、生活用水として配られた飲めない水で、装置を洗ったりすすいだりしないでください。装置は口の中に長時間入れるものです。洗うところから、口に入れる前の最後のすすぎまで、飲める水を使ってください。飲める水がまったくないときは、無理に水で洗わず、清潔なガーゼや不織布で内側をぬぐうだけにとどめてください。
  • アルコール手指消毒液、除菌ウェットティッシュ、台所用・衣類用の塩素系漂白剤、次亜塩素酸水を装置に使わないでください。装置の材料を傷めるだけでなく、薬剤が装置に残ったまま口に入れると、口の中の粘膜を傷めるおそれがあります。歯科医院から特定の洗浄剤を指示されている場合のみ、その指示に従ってください。入れ歯用の洗浄剤も、歯科医院で使ってよいと確認していない限り使わないでください。
  • 装置を洗口液に浸けおきしないでください。材質を傷めたり、着色の原因になったりすることがあります。
  • 外した装置をティッシュ・紙ナプキン・お皿・テーブルの上に置かないでください。必ずフタの閉まるケースに入れてください。
  • 装置を着けたまま、水以外のものを飲んだり食べたりしないでください。とくに甘い飲み物、スポーツドリンク、乳酸菌飲料、色の濃いお茶やコーヒーは、装着したままとらないでください。熱い飲み物は変形の原因にもなります。
  • 次のようなときは、就寝時に装置を口に入れたまま眠らないでください。睡眠薬・抗不安薬など眠気の出る薬を飲んだ夜、お酒を飲んだ夜、発熱や嘔吐で体調が悪いとき、意識がはっきりしないとき、けいれん発作の持病があるとき、飲み込む力が落ちているとき、認知症などで外し忘れが起こりうるとき、そして小さなお子さん。これらのときは装置をケースに入れて保管し、起きているあいだの装着に切り替えられるか、医療者に相談してください。判断に迷うときは、装着せず保管してください。
  • 口の中に入れたガーゼや布を、そのまま置いたままにしないでください。崩れて破片が残ると窒息の原因になります。自分で吐き出すことが難しい方、認知症のある方、小さなお子さんには、口の中を布でぬぐう方法は行わないでください。
  • 顎間ゴム(エラスティック)を他の人から分けてもらって使わないでください。材質が違うことがあり、ラテックス(天然ゴム)アレルギーのある方では重い反応が起こるおそれがあります。
  • 他の人の装置やケースを共有しないでください。装置は一人ひとりの歯の形に合わせて作られています。

歯科医療者に相談する目安

  • 装置をなくした、または割れた。手元にどの段階の装置が残っているかを伝えられるようにしておいてください。次にどうするかは、歯が動いた量や治療の段階を踏まえて歯科医療者が判断します。
  • 割れた装置しか手元になく、ひとつ前の段階の装置もない場合。この場合、割れた装置を無理に使うことはしないでください。装着を中止しているあいだに歯が動くことはありますが、それは後から歯科でやり直せます。破片はすべて保管し、連絡がついた時点で歯科医院に見せてください。連絡先が分からないときは、避難所の救護所、保健師、自治体の災害時歯科相談の窓口など、その場で届く相談先を探してください。
  • 指示された交換の目安をはっきり超えて、同じ段階を使い続けている(目安の期間の2倍近くになっている、など)。何日目から使っているかを伝えられるようにしておいてください。
  • 装置が歯から浮く、片側だけ合わない、指で押さえないと入らない、という状態が続いている。
  • 歯に付いているアタッチメント(小さな突起)が外れた。とくに複数外れたとき。
  • 装着時間が大きく落ちた期間があった。何日間、どれくらい着けられなかったかを伝えられるようにしておいてください。
  • 顎間ゴム(エラスティック)を使い切って、代わりがない。他の方から借りずに相談してください。
  • 保定用マウスピース(リテーナー)が急にきつくなってきた、入りにくくなってきた。
  • 装置とは別に、しみる・咬むと痛い・歯ぐきが腫れている、といった症状が出てきた。
  • 体調や飲んでいる薬の関係で、就寝時に装置を入れてよいか迷う。装着を控えたうえで相談してください。

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この内容について

監修の状態:
暫定案です。専門家の確認を受けていません
最終更新:
2026-08-01

分かっていないこと:【要専門家確認】このページは、通常の診療で行われている一般的な取り扱い説明と、災害時の口腔ケアに関する実務的な知見をもとに書いた暫定案です。専門家の確認をまだ受けていません。とくに次の点が確かめられていません。(1)災害時にマウスピース型の装置の装着時間が実際にどの程度落ち、それが治療結果にどう影響するかを調べた研究は、私たちの知る範囲ではほとんどありません。「装着時間が足りないと計画どおりに動かないことがある」という記述は、平時の臨床で共有されている理解にもとづくもので、災害下で検証されたものではありません。(2)断水時の洗浄・拭き取りの方法は、限られた資源のなかでの現実的なしのぎ方として書いたもので、むし歯や歯ぐきの炎症を防ぐ効果が確かめられているわけではありません。飲める水がないときにどこまで装着してよいかについても、確立した基準はありません。(3)装置が合わなくなったときに前の段階へ戻せるかどうかは、歯の動いた量や治療の段階によって適否が変わります。このページでは判断そのものを書かず、歯科医療者に委ねる形にしていますが、連絡がつかない期間にどう過ごすのが最善かについては、根拠のある答えを示せていません。(4)装置の材料は製品によって耐熱性や推奨される洗浄方法が異なります。洗浄剤・消毒剤についての記述は一般的な注意にとどまり、個々の製品での検証にもとづくものではありません。ご自身の装置について歯科医院から別の説明を受けている場合は、そちらを優先してください。(5)緊急受診が必要なサインは、口の中の感染や外傷に関する一般的な注意点をまとめたもので、この装置を使っている方に特有の基準として確立されたものではありません。判断に迷うときは、我慢せず医療者に相談してください。(6)本文中の「1日20〜22時間」「交換の目安の2倍近く」といった数値や表現は、平時の一般的な目安として広く使われているものであり、災害下での妥当性が検証されたものではありません。(7)就寝時の装着を控える状態として挙げた例(眠気の出る薬、飲酒、発熱・嘔吐、けいれんの持病、嚥下機能の低下、認知症、小さなお子さんなど)は、誤飲・誤嚥を避けるための一般的な配慮として整理したもので、この装置について発生率や重症度を示した資料にもとづくものではありません。該当する方が多い分、専門家による優先的な確認が必要です。(8)装置や破片を飲み込んだ・吸い込んだ場合の応急対応は、このページには書いていません。ページ共通の案内をご確認ください。(9)このページは監修前です。掲載時には監修状態・更新日・監修領域・参照資料を必ず併記してください。

この情報は一般的な内容です。個々の症状の診断や治療方針を示すものではありません。 判断に迷うときは、医療者にご相談ください。緊急の場合は119番へ。